サイクルタイムとは
機械設備は、自動運転中に ” ある一連の動作”を自動的に行うように作られています。
この時の ” ある一連の動作” を行うのに要する時間を、”サイクルタイム”と呼びます。
この一連の動作とは、その機械が担当する”工程(作業)”でもあります。
設備ごとにこの役割が異なるように、サイクルタイムの定義自体も設備によってひとつひとつことなります。
対象ワークが供給されてから、機内で処理を行い、排出するまでに要する時間。
ワーク搬送要求を受けてから、親機にワークを供給する までの時間
このような動作サイクルを自動的に繰り返す場合もありますが、1回の運転で、1回のサイクルを行って終了する場合もあり、機械ごとに仕様は変わります。
サイクルタイム計測の重要性
生産ラインを設計するうえでは、このサイクルタイムは重要な項目の中の一つになります。
ラインを構成する各機械の中で、サイクルタイムの遅い機械はボトルネックになりますし、サイクルタイムが早すぎても工程間での在庫を増やすだけです。
機械の試運転中にはサイクルタイムの確認をする必要があります。
サイクルタイムを計測するうえで最も重要なポイントは、サイクルタイムの定義を確認する事です。
何をきっかけに計測を始めたてどうなったら計測を終了するかです。
サイクルタイムの計測方法
人がストップウォッチを用いて測定する
誰で手軽に測定できる方法がストップウォッチです。スマホにもストップウォッチ機能がついています。
設備に触れることなくサイクルタイムを測定できるメリットもあります。
ただし、手動でサイクルタイムを測定する際のポイントは、正確な時間ではなく、あくまで大雑把なサイクルタイムしか計測できないことを覚えておきましょう
手動で時間を計測する問題点は、複数回繰り返して計測するには手間がかかる点です。
設備にサイクルタイム計測機能がついていない場合はやむを得ず人力で測定する場合があります。
PLCにて計測する
電気設計者であれば、PLCで、サイクルタイムを自動計測することをおススメします。
設備に取り付けられている表示器に、サイクルタイムの計測結果を表示したり、SDカードに計測結果を記録したりすることもできます。
サイクルタイムの計測プログラム例
この作成例では、三菱電機製のQシリーズシーケンサでのラダープログラム作成を想定しています。
特殊リレー 「SM410」は0.1秒間隔でON/OFFを繰り返すリレーです。
0.1秒ONした後に、0.1秒OFFすることになります。

アドレスマップ
サイクルタイムの履歴を記録するためのデータレジスタ領域は、以下のようになります。

まとめ
サイクルタイムは設備の要求仕様としては重要な要素になります。
機械の試運転や調整などの検証中には、サイクルタイムの計測履歴があると便利です。
また、出荷前の立ち合い時や出荷後の立ち合いの時にも、サイクルタイムは必ずチェックする必要があります。
以上です。
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