SIOコントローラ
SIOコントローラとは、アルミフレームでお馴染のエスユウエス社が販売しているSimlpeなI/Oコントローラです。入出力+タイマー程度の簡単な制御を行う事に特化している点が特徴です。また、電気的な知識が不要であるため初めてでも誰でも簡単に制御を行うことが出来る商品となっております。
詳しい取扱説明書やカタログなどはSUS社WEBサイトからダウンロードすることが出来ます。
電気設計者でなくても取り扱える。誰でも取り扱えるという点が最大の特徴ですが、その他に私が感じたSIOコントローラの特徴は以下の通りです。
- ラダー言語を使用しない独自のプログラミング 方式を採用している。このプログラミング方式が独特であり、簡単なI/O制御+タイマ程度であれば数分でプログラム作業が完了する。
- プログラムッソフトが無償であり、気軽に使用できる。
- ワンタンタッチ配線システムのe-CONコネクタを採用しているため、配線が簡単また、同社より、販売されて理宇端末が e-CON コネクタ加工されたスイッチ、ランプ、ブザー付ボックスを使用することで、パソコンにUSBケーブルを接続するような感覚で、非常に簡単に配線作業を行うことが出来る。
- I/O点数を抑えて、出力負荷容量を小さくしているため、非常に小型で安価である
PLCを使うほどではなかったり、リレーやタイマーを使用するには手間であったりするような 超小規模の設備やジグを制御するときには大変活躍するでしょう。
ただし、プログラミング方式については、注意が必要だと感じました。SUS独自のプログラミング奉仕なのですが、これがまた少し独特です。簡単な入出力やタイマー制御程度であれば、苦労しないのですが、複雑な制御には向かない印象です。
シーケンス回路やラダー言語との違いはとして、
- ごく簡単な論理条件を組み合わせて、出力のON/OFFを制御します。
- プログラミングソフトを無償で入手できる。
- ANDやOR条件の数が2点を超えてくると、プログラムが手間に感じました。また、コピー&ペーストが出来ない点も不便でした。
- 出力信号(ランプや設備動作)ごとに、どのような条件でONして、どのような条件でOFFするのかを整理する必要があります。
- 「自己保持」や「接点」、「コイル」といったシーケンス図独特の要素はない。
- ただし、「タイマー」や「ON」「OFF」といった最低限必要な知識は必要です。
といったところでしょうか。
あとは、SIOコントローラ本体に、タイマー設定時間を調整するためのトリマースイッチがついている点も非常によく考えられていると思いました。重要なタイマーの一つや2つ程度は、プログラミングツール無しで実機調整できるのは便利だと思います。これにより、ハードタイマーを使用した簡単な回路からの置き換えの際の心配を減らすことが出来ます。
それでは、具体的な仕様をチェックしていきたいと思います。
製品ラインナップ
代表的な型番だけをピックアップしました。御覧の通りI/O点数は非常に少ないです。
しかし、I/O点数が増えれば増えるほど、制御が複雑になりますので、SIOプルグラマでのプログラミングが難しくなると思われます。こうなるともはやPLCを使用したほうが良いでしょう。
「PLC以下、リレーシーケンス以上」ということで、このような絶妙なI/O構成がラインナップされているのだと思います。
型式 | 入力点数 | 出力点数 | 配線方法 | 取り付け方法 |
Sio3.2ミニ | 3 | 2 | e-CON | オプションSUC-444 にて DINレール取付可 |
SIO2 | 6 | 4 | e-CON | DINレール取付可 |
SIO-N1 | 8 | 8 | e-CON | DINレール取付可 |
SIO3 | 16 | 16 | e-CON | DINレール取付可 |
競合しそうな制御システムとの比較
SiOコントローラを使用する場合
入力8点、出力8点のSioコントローラの価格は、約1万円となっています。
ミスミでも入手可能です。
また、リレーの接続ソケットのように電極がむき出しになっていないため、クリーンな環境であれば、特にキャビネットの中に収める必要はないと思います。
また、本体自体が非常に小さいため、万が一キャビネットに収めるにしても、非常に小さいプラスチックボックスの中に納まる大きさになっています。
小型シーケンサを使用する場合
三菱FA製品のマイクロシーケンサ MELSEC-Fシリーズ 中のFX3Gシリーズは、非常に安価でコストパフォーマンスに優れたPLCユニットです。
入力14点、出力8点の FX3G-14MR/ES が2万円を切る価格で、しかも即納で入手可能です。
加えて、シーケンサを使用するメリットには、拡張性がある事です。いざとなれば、I/Oの追加を行うことが出来ます。
専用の開発ソフトが必要になり、慣れるまでは取扱が難しいですが、 複雑な条件の制御を行うことが出来ます。
スマートリレーを使用する場合
IDECスマートリレー FL1F形は2万円を少し切る程度です。
スマートリレーを使用する際にも、専用の開発環境が必要となります。こちらはラダー言語を使用することが出来ます。
リレー+タイマによるリレーシーケンスを使用する場合
小規模とはいえど、規模にもよります。
リレーを使用する場合、仕入れ先にもよりますが、リレー本体+ソケットで1000~2000円でしょうか?
タイマーはリレーよりも高価です。
オムロン製のソリッドステート・タイマ H3CR-Aで、はタイマー本体+ソケットで4000円~5000円程度かと思います。
オン・オフ時間を個別に設定するような用途だと、タイマが2つ必要になってしまいます。
リレーシーケンスを使用する場合は、ソケットが端子むき出しになる点に注意が必要になります。IP2X程度とはいえ充電部を露出するのは危険ですので、端子箱程度のプラスチック箱でもよいので、何かしらのキャビネットの中に収めたほうが良いでしょう。
SIOを使用する際のチェック事項
I/Oの構成は以下の通りです。プログラミングしたソフトをコントローラに転送するためにはケーブルが必要になります。
コントローラ電源
コントローラには電源が必要です。電源電圧はDC24Vです。コントローラ本体側には専用のDCプラグが必要になります。
スイッチングレギュレータ等を使用することにより、DC24V電源を確保できる場合には、DCプラグ付きケーブルを使用して給電します。
AC100Vコンセントから給電する場合などには、ACアダプタ付きのDCプラグも用意されています。
電源はコントローラ本体と入出力コモンが兼用になっています。
I/O入出力の配線方法
入力配線方法
基本的には、4極のe-CONを使用します。
透過型の光電センサーを使用する場合は、投光器側に24Vと0Vを供給し、受光器側に 24Vと0V と入力信号を接続する必要があります。
出力配線方法
3極のe-CONを使用します。
DC24V、最大負荷電流は0.1Aです。
また、リレーを駆動する場合は、サージキラーやダイオード内蔵型を使用します。
ソレノイドバルブを起動するときにも、サージ吸収ダイオード付きを使用します。
取付方法
DINレール上にマウントすることが出来ます。
Sio3.2ミニ については、オプションのアタッチメントを使用することで、DINレール取付が可能になります。
機能
外部トリマスイッチにて、タイマT1とタイマT2の時間調整をすることが出来ます。
プログラミング
専用のプログラミングツールを使用します。作成したプログラムを実機に転送するためには、USB対MicroUSB-TypeBケーブルが必要です。(コントローラ側は、Android端末用と勘合するUSBコネクタです。)
専用のプログラミングツールについては以下の記事を参照願います。
まとめ
- SIOコントローラは電気設計者でなくても取り扱える。誰でも取り扱えるという点が最大の特徴です
- PLCを使うほどではなかったり、リレーやタイマーを使用するには手間であったりするような 超小規模の設備やジグを制御するときには大変活躍するでしょう
以上です。
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