三菱電機製シーケンサでは K1X00のような書式で桁指定することにより、連続したビットデータを数値データとしてワードデバイス領域にデータ転送することが出来ます。これをビットデバイスの桁指定と呼びます。
K1X00 のようなビットデバイスを桁指する定表記方法は、三菱電機固有のものです。
キーエンス製のPLCにてプログラミングを行う場合に、ビットデータを数値データとして扱う場合には、 別の方法を使用します。
今回はキーエンス製のPLCでプログラミングを行う際にビットデータを数値データとして取出すために、PMOV命令を使用する方法を紹介しようと思います。
部分転送命令 PMOV
まず、PMOV指令について説明します。
PMOVとは、部分転送命令です。
これを使用して、三菱のビットデータの桁指定相当の動作をさせることが出来ます。
PMOV命令の詳細についてはプログラマブルコントローラKVシリーズの命令後リファレンスマニュアル(共通命令編)に記述されています。キーエンスのKV STUDIOのユーザサポートサイトよりダウンロードすることが出来ますので、必要な方は会員登録しておきましょう。
PMOVの使用例
CR2002は常時ONするコントロールリレーです。機能命令を常時実行するためのデバイスです。
この命令実行時のPLC内でのデータの処理について説明します。
ビットデータをワードデータ領域へ転送し、数値データとして扱う
MR000~MR003までの4ビットのデバイスデータを、データデバイスであるMD0の先頭の0ビット目に転送されます。この例では4ビットだけを転送しますが、#4の数値を調整することで、より多くのビットバイスを転送することも可能です。三菱の場合最低でもK1M00で4ビット同時に転送してしまいますが、キーエンスの場合は3,2ビット単位での転送が可能になります。
転送先のワードデバイス領域のDM0.15~DM0.4の上位12ビットは状態変化しない点に注意が必要です。
MR000-MR003に4ビット分の 進数を10進数の数値データに変換してDM10に格納することが出来ます。
ビットデータ領域に、ワードデータを部分転送する
反対にワードデータ内での連続したビットを、ビットデバイス領域に任意の数だけ転送する方法を紹介します。
今回も、転送ビット数を4としています。5ビット目のDM0.4は転送されないため、注意必要です。また、先ほどと同様に、転送先の上位12ビットは値が変化しません。ゼロクリアされるわけではないため、こちらも注意必要です。
転送ビット数については三菱電シーケンサーでは。4,8,12といった4の倍数ビット数しか指定できないのにたいして、とは異なり、
サフィックスが.Uの16bit命令であれば、最小1ビットから最大16ビットまでです。
サフィックスが.D の32bit命令であれば、最小1ビットから最大32ビットまでです。
まとめ
- KEYENCE KV STUDIO使用時にはPMOV指令を使用して、ビットデータをワードデータ領域に転送することが出来ます。
以上です。
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