GX Works2はMELSEC-QシリーズやMELSEC-Fシリーズシーケンサの設計・保守を行うためのエンジニアリングソフトです。GX Works2には編集中のラダープログラムの動きをシミュレートする機能が搭載されています。
シミュレーション機能を使用することで、実機CPU不要でラダープログラムを簡易的に動作確認を行うことができます。
実機デバッグ前にシミュレータによる机上デバッグを行う目的・効果は以下の通りです。
- プログラム中のデバイスの打ち間違いなどの簡単なポカミスを机上でつぶすことにより、実機デバッグをスムーズに行えるようにする。
- FOR〰NEXTなどのプログラムエラーチェック
- タイマーなどのチェック
- 強制入出力機能を使用しての信号チェック
- 机上で完成度を上げることで、実機での機械衝突を防ぐ。
机上でデバッグをすることで、静かなオフィスで落ち着いて作業もできますし、とにかく机上デバッグはいいことづくめです。
ただし、何もかもを机上でデバッグすることはできませんし、机上だけで動作確認を終わらすことはあってはならない事です。机上でもデバッグ、実機でもデバッグです。
詳細については、GX Works2 Version 1オペレーティングマニュアル(共通編)(GXW2-VER1-O-KY-J)を参照願います。このマニュアルのページ数は1000ページを超えておりますので、すべて読むのは大変だと思います。「18章プログラムをシミュレーションする」を参照願います。なおこのマニュアルは、MELSOFT GX Works2 (SW1DNC-GXW2)の商品紹介ページよりダウンロードすることができます。
GX Works2起動中であれば、「メニューバー」→「ヘルプ」→「オペレーティングマニュアル」にて各マニュアルを表示することが可能です。
シミュレーション起動方法
GX works2にはシミュレータ機能が内蔵されています。
GX Developerにてシミュレーションを行うためには、別途GX simulatorを購入する必要がありましたが、GX works2には、GX simulatorに相当するGX simulator2機能が統合されているため非常にお手軽にシミュレーションを開始することができます。
PCタイプが「FXCPU」の場合でも、「QCPU」の場合でも、シミュレーションを行うことができます。
GX simulator2の起動方法は以下の通りです。
ツールバーからの起動が最も手早くシミュレーション開始する方法だと思います。
ツールバーからの起動(おすすめ)
ツールバーからシミュレーションの開始/停止を行うことができます。ワンクリックでシミュレーションを開始できるため、お手軽です。
メニューバーから起動する
「メニューバー」→「デバッグ」→「シミュレーション開始/停止」よりシミュレーションを起動することができます。
ショートカットキーによりシミュレーションを開始する。
初期設定では、シミュレーション開始/停止用のショートカットは登録されていません。
しかし、GX works2ではたいていのコマンドに対して、ユーザオリジナルのショートカットキーを割り付ける事ができます。
その手順は以下の通りです。
「メニュバー」→「ツール」→「ショートカットキーカスタマイズ」
ショートカットキーカスタマイズ画面が表示されますので、割り当てるキーを押してくださいにカーソルを合わせて、希望するショートカットキー打ち込むことで、ショートカットを登録することができます。
GX simulator2
上記手順によりシミュレーションを開始すると、GX simulator2が起動し、仮想CPUに対しラダープログラムの書き込み処理が行われます。
起動直後は以下のように仮想CPUの状態が、「ERR」となりますが、無視して進めてOKです。いずれ「ERR」はクリアされ、仮想CPUは「RUN」となります。
書き込みが終わると、仮想CPUがRUN状態となり、ラダープログラムが実行されます。
必ずGX simulato2の仮想PLCの「RUN」状態を確認してから、シミュレーションによる動作確認を行いましょう。
なお、FXCPUにてシミュレーションを行う際の仮想CPUはちゃんとFX風になっております。
シミュレータデバッグ中に便利な機能
シミュレータを使用して行うことは、デバッグや動作の確認作業です。
シミュレータ実行中のラダープログラムの接点部にあるXデバイスやMデバイスの現在値を変化させた時の出力変化を確認することで、机上デバッグを行います。
強制入出力・現在値変更
接点を右クリックして、「デバッグ」→「現在値変更」から、値を変更することができます。
ただし、都度右クリックしていると手間であるため、現在値変更についてはショートカットを使用するのが良いです。
Shift+Enter:現在値変更
注意
シミュレーション動作中のスキャンタイム0.1秒スキャンとなります。
SM409:0.01秒クロック用の特殊リレーはOFFしたままになる点に注意しましょう。
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