絶縁被覆付閉端接続子 ( Insulated closed-end connectors )
CE形絶縁被覆付閉端接続子(ぜつえんひふく つき へいたん せつぞく し)とは、JIS C2807にて定義されている絶縁被覆付きの端子です。
現場ではパラシュート端子、落下傘、ハット端子、UFO端子などと、独特な通称で呼ばれることが多いです。
ホームセンター等の実店舗だけではなく、ミスミ、Amazon、楽天市場などのECサイトからも購入することが出来ます。
なお、 JIS規格の詳細については下記「日本工業標準調査会」より、JIS規格番号「 JIS C2807 」を検索すると内容を閲覧することが出来ます。(閲覧のみ可能です。資料ダウンロードはできません。)
特徴
絶縁被覆付閉端接続子の特徴は以下の通りです。
- 電線対電線で接続できる。(端子台不要)
- 1対1だけではなく、複数の電線の接続もできる。
- 一度圧着したら、ケーブルを切断しない限り、縁切りできない。
- 水や油のかかる場所での使用は避けたほうが良い。(端子箱を使用して中継しましょう)
使用場面
制御盤内で配線をする際に、やむを得ず使用する場合が多いです。端子台に空きが無かったり、リード線が端子台まで届かないような場合に絶縁被覆付閉端接続子を使用して、電線同士を接続することがあります。
通常であれば、電線同士は端子台で中継すべきだと思います。 特に新規に制御盤を設計する際は、CE1を使用してケーブル接続することを考えずに、予備も含めて中継用の端子台をしっかりと設けておきましょう。メンテナンス性を考慮するとやはり端子台接続が一番だと思います。
接続する電線太さについても0.5sqや0.3Sqが多いです。信号線用として使用しています。
なお、電線を圧着する際には、専用の工具を使用します。
裸圧着端子用圧着工具の5.5sq用のダイスを使用して無理やり圧着してはいけません。
ラインナップ
絶縁被覆付閉端接続子にもいくつかのサイズがあります。
サイズによって接続できる電線の太さや本数が異なります。
「0.3sqと0.3sq」や「0.5sqと0.5sq」を1対1で接続する際は、CE1を使用しておけばよいです。
品番 | 電線抱合範囲 | |
CE1 | 0.5~1.75mm2 | |
CE2 | 1.0~3.0mm2 | |
CE5 | 2.5~6.0mm2 | |
CE8 | 4.0~9.0mm2 |
圧着工具(NH37とNH38)
次に圧着方法について説明します。
普段ニチフ端子工業製の端子をよく使用するため、ニチフ製をベースにして圧着方法などを説明します。
まず、工具の型番を確認します。
NH37がニチフ端子工業の純正工具でした。
1,2,5とダイスに番号がふってあり、CE1,CE2,CE5の3種の圧着が可能でした。
しかし、最新のカタログでは、NH38との記載があります。
恐らく,NH37は生産終了し、代替え機としてNH38が登場したのだと思います。
NH37と比較して新NH38は、CE8の圧着も可能になり、機能アップしています。
圧着手順
NH37を使用して CE1を 圧着する手順を説明します。
最新のNH38は残念ながら手元にありません。NH37でもきれいに圧着することは可能です。
電線の被覆を剥ぐ
今回使用する電線はKIV 0.5sqが2本です。KIVですので、電線の分類としては、「より線」になります。
今回使用する電線はその辺に転がっていた電線です。ケーブル色が異なっているのには特に理由はありません。
ストリップ時の剥き長さは9mm〰11mmです。
ケーブル剥き長さはおおよそでよいと思います。
少し長めに剥いて、圧着直前に長さを調整するという手もあります。
圧着前に電線をより合わせる
接続した電線は絶対に、外れてほしくないので、念入りにより合わせる方法を紹介します。
2本のケーブルの芯線部を2つの束に分けます。
二つに分けた芯線をより合わせます。
残った芯線をより合わせます
より合わせた芯線どうしをさらにより合わせます。
長さの確認をします。
先ほどのケーブルを、端子にセットします。挿入時の方向は特にありません。
CE1を圧着するときは、1番のダイスを使用します。
圧着後は以下のようになります。
圧着後は、軽く引っ張って電線が抜けないことをチェックします。
まとめ
- CE端子は電線同士を簡単に接続することが出来ます。
- 専用の工具を使用して圧着する必要があります。
以上です。
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