入出力混合ユニット(入出力複合ユニット)とは1台で、32点分のI/O入力に加え、32点分の1/O出力と合計計64点分の入出力機能を持ったユニットです。
MELSEC-QシリーズではQH42PとQX41Y41Pの2つの混合入出力ユニットが存在します。
品名 | 型式 | 入力仕様 | 出力仕様 |
DC入力/ トランジスタ出力 複合ユニット | QH42P | DC24V 32点 (プラスコモン) | DC24V 32点 (シンクタイプ) 0.1A/1点 |
DC入力/ トランジスタ出力 複合ユニット | QX41Y41P | DC24V 32点 (プラスコモン) | DC24V 32点 (シンクタイプ) 0.1A/1点 |
自身で選定することは稀ではありますが、使用されている設備を見たことは幾度となくあります。
今回は使用方法について説明したいと思います。
入出力混合ユニットの特徴
入出力混合ユニットには 2台の入出力ユニットを1台にまとめることが出来るため、省コスト省スペースといったメリットがあります。 どのような場合に入出力混合ユニットを使用するのでしょうか?
考えられるのは以下のパターンです。
- 入力32点、出力32点を使用する場合に、予備の空きスロット一つでも多く確保したい時。
- 入出力を両方追加したいが、PLCベースユニットの空きスロットが1つしかない場合。
入出力混合ユニットを選定する際の注意
入出力混合ユニットには、主に国内向けで使用されるプラスコモンタイプの入力とシンク出力の組み合わせの仕様品のみしかラインナップされていません。
欧州仕様向けのマイナスコモンタイプや、ソース出力仕様はありません。
プラスコモンとマイナスコモンの違いについては、以下の記事がなるかと思います。
混合ユニットは入出力デバイスの割り付けに注意が必要
三菱MELSEC-Qシリーズには、コネクタタイプの入出力ユニットとして、 H42PとQX41Y41Pの2機種が用意されています。共に、プラスコモン仕様の入力が32点とシンク出力仕様の出力が32点と計64点と同一仕様となっております。
これらの混合ユニットの一番の仕様の違いは入力(X)と出力(Y)をデバイス領域に割り付ける際の入出力占有点数です。QX41Y41P は64点、QH42Pは32点となっています。
QH42Pの方が 入出力占有点数 が少なくて済みますからやや有利といった印象です。
ちなみに、ミスミでの部品単価を比較すると、QH42Pのほうがややお安くなっておりました。
QH42P
QX41Y41P
入出力デバイスの割り付け例
本記事では、具体的に入出力混合デバイスでの割付を考えてみます。
説明のための題材として、
- シンプルモーションユニットによるD77MSによる位置決め制御をおこなう小規模な設備
- ベースユニットは3スロット仕様品を使用する
- 設備の総I/0入出力点数は、予備を考慮しても入力32点以下、出力32点以下となるため、入出力混合ユニットQH42Pもしくは、QX41Y41Pを使用する。
- 1スロット目にD77MS2を使用し、 2スロット目に混合入出力ユニットを使用する。
- 3スロット目を予備スロットとする。
このような場合での混合ユニットやインテリジェント機能ユニットとの割付設定を考えてみます。
なお、入出力占有点数などの説明や、そもそものI/O入出力ユニットのI/O割付の考え方や、GX WorKs2でのI/O割付のための設定については以下の記事を参照願います。
不安な方は先に以下の記事を読んでおくとよいかもしれません。
QX41Y41Pの場合
混合入出力ユニットQX41Y41P の入出力占有点数は64点です。
よって、割付設定は以下のようになります。
占有点数64点の内、前半の32点を入力用に、後半の32点を出力用に割り付けます。
QH42Pの場合
混合入出力ユニットQH42P の入出力占有点数は32点です。
よって、割付設定は以下のようになります。
考察 三菱各シリーズの混合ユニット
三菱電機にはQシリーズ以外にもビルディングタイプのシーケンサが存在します。 MELSEC-A や MELSEC-L、 MELSEC-iQ-Rなどです。それぞれたくさんの拡張ユニットが用意されており、混合入出力ユニットラインナップされています。
MELSEC-Aシリーズ
この中で最も古くから発売されているのがMELSEC-Aシリーズと呼ばれるシーケンサです。少し調べてみると、2008年に生産中止となっておりました。 2020年でもごくまれに稼働中のAシリーズを見ることがあります。MELSEC-A にも64点タイプの入出力混合ユニットが存在しておりました。
型式はAH42です。
AH42は入出力占有点数が64点で、前半の32点が入力で後半の32点が出力用でした。
QX41QY41Pの64点割付仕様の方が先に登場したことがわかります。
MELSEC-Lシリーズ
MELSEC-Q よりも少し後に登場したのが MELSEC-L シリーズです。Lシリーズにも混合ユニットが存在しており、シンク出力タイプがLH42C4NT1P、ソース出力タイプがLH42C4PT1Pです。
どちらも入出力占有点数は32点となっています。
MELSEC-iQ-R シリーズ
MELSEC-iQ-Rにも64点の入出力混合ユニットが存在します。 型式はRH42C4NT2Pです。
入力ユニットRX41C4の32点入力とソースタイプトランジスタ出力ユニットRY41NT2Pの32点出力を合わせたような入力ユニットです。入出力占有点数は32点タイプとなっています。
まとめ
従来より64点タイプの入出力混合ユニットの入出力占有点数は64点でしたが、Lシリーズより入出力占有点数は32点へと変更になっています。MELSEC-Qはちょうどその過渡期にあり両方のタイプが存在するのかもしれません。
まとめ
- 入出力混合ユニットのI/O割付を行う際は、入出力占有点数に注意する事
- QX41QY41P は占有点数64点QH42Pは32点
以上です。
QH42PとQX41Y41Pの違いについては、三菱電機よくある質問にも記載があります。こちらも参考にしてみるとよいと思います。
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