スポンサーリンク
PLCハード設計配線作業

【FR-E700】外部入力端子のコモンの考え方(ソースロジックとシンクロジック)

インバータを外部から起動するために用意された制御端子を制御入力端子と呼びます。

制御入力端子 への信号接続は比較的わかりやすいのですが、
コモンの配線について悩まれる方は多いと思います。

そこで、具体的な図を用いて、配線方法を説明したいと思います。

スポンサーリンク

インバータ制御入出力端子の配線について

今回も三菱電機製 FREQROL-E700シリーズ のインバータ を例にして、説明してみます。

インバータを外部運転する為に用意されている信号や制御入力端子については、下記やメーカカタログを参照願います。

ソース/シンクロジックの切替

多くのインバータはソースロジック とシンクロジックの切替が出来るようになっています。

ショートバーやジャンパコネクタ(ジャンパブロック)を差し替えることで、ソースとシンクを切り換えるタイプが多いですが、パラメータにてソースシンクを切り換えるタイプのインバータも存在します。

FR-E700 シリーズでは、ジャンパコネクタを差し替えることにより、ソース/シンクを切り換えることが出来ます。

 FREQROL-E700シリーズ インバータ ソースシンク切替
FREQROL-E700シリーズ インバータ ソースシンク切替

なお、 初期時の初期設定は、シンクロジックとしているインバータが多いです。

これは、国内ではシンクロジックが一般的であるためと思われます。

インバータのコモン端子配線方法

インバータをPLCやスイッチなどの信号にて制御運転する場合は、インバータ側の制御入力端子に出力ユニットの端子やリレー接点などを接続します。

このとき、インバータのコモン端子にも配線必要です。

三菱電機製 FREQROL-E700シリーズ にはコモン端子として、「PC端子」と「SD端子」が用意されています。

この時の配線方法は、 インバータのソース/シンクの設定と、リレーや出力ユニットの仕様によって変わります。

配線方法はいくつかありますので、それぞれ説明します。

①制御入力端子にスイッチやリレーなどのドライ接点のみを接続する
(内部電源)

一般的なスイッチやリレーの接点は、ドライ接点です。無電圧接点信号とも呼ばれます。

接点自体に±の極性は無く、”通電するか”と”導通しないか”の状態を切り換えます。

リレーやスイッチをインバータの制御入力端子へ接続する際は、接点が導通すれば信号ON(正転や逆転を実施する)となります。

接点自体に極性がないため、ソースとシンクどちらの設定でもよいように思えますが、実はきっちりと分けて考える必要があります。

シンクロジックの場合、ソースロジックに場合についてそれぞれ説明します。

シンクロジックの場合

シンクロジックに設定した場合、”SD端子”がドライ接点用のコモン端子になります。 以下の写真のようにFR-E720シリーズの場合、SD端子が3つ用意されています。真ん中あたり1点と右端に2点です。それぞれ内部で導通しているため、どのSD端子を使用しても問題ありません。

三菱FAインバータ制御入出力端子

接点を多数使用し、SD端子数が不足する場合は以下の図のように渡り配線をしましょう。

シンクロジックに設定した場合、 PC端子は使用しません。配線しないようにしましょう。

 FREQROL-E700シリーズ インバータ ソースシンク切替
FREQROL-E700シリーズ


シンクロジックに設定した場合 「コモン端子SD」の数が多いため、外部に端子台を増設しなくて済む場合があり便利です。インバータ側のロジック切替用のショートブロックの変更も不要であるため、国内仕様の場合は素直にSD端子をコモンとして使用するシンクロジックモードで使用するのが良いと思います。

ソースロジックの場合(あまり使用される方はいらっしゃらないと思います。)

ソースロジックに設定した場合、”PC端子” がドライ接点用のコモンになります。
またSD端子は使用しません。配線しないようにしましょう。

PC端子の点数は1点のみです。以下のようにPCコモンを、渡り配線します。

 FREQROL-E700シリーズ インバータ ソースシンク切替
FREQROL-E700シリーズ

② PLCのトランジスタ出力でインバータを直接制御する場合

PLCの出力ユニットから直接インバータを使用する場合、リレー点数を減らすことができるため省配線です。この方法でインバータを使用するケースは多いはずです。

シンクロジックの場合

PLCの出力ユニットがシンクタイプである場合、インバータ側をシンクロジックに設定します。

この時トランジスタ出力用のプラス24Vを「PC」端子に接続して使用します。

この時、SD端子を使用しません。

 FREQROL-E700シリーズ インバータ ソースシンク切替
FREQROL-E700シリーズ

ソースジックの場合

PLCの出力ユニットがソースタイプである場合、インバータ側をソースロジックに設定します。

ソースタイプ出力のPLC出力ユニットを使用する場合、「SD端子」にマイナス側(0V)を接続します。

この時、PC端子を使用しません。

 FREQROL-E700シリーズ インバータ ソースシンク切替
FREQROL-E700シリーズ

③ 制御入力端子にスイッチやリレーなどのドライ接点のみを接続する(外部制御電源)

あえてシーケンサから直接駆動せずに、外部電源とリレー接点を使用してインバータを制御する場合は以下のようになると思います。

シンクロジックの場合

ソースシンク
FR-E700シリーズ

まとめ

  • PLC出力ユニットを直接インバータに接続して、外部運転する場合、出力ユニットがシンク出力であれば、インバータをシンクロジックに設定します。
  • 出力ユニットがソース出力であれば、インバータ側をソースロジックに設定します。
  • 国内だと出力ユニットにシンク出力タイプを選定するほうが多いため、インバータの初期設定はシンクロジックになっています。

以上です。