安川電機製のロボットコントローラYRC1000にて使用されているINFORM言語の補間命令について説明します。
補間とは
補間(interpolation)とはロボットマニュピレータの制御点が現在位置から目標点まで移動するうえで、点と点をつなぐ経路を作る事ことです。
この動作経路の事を特に、補間経路や軌跡(path)と呼ぶことがあります。
ロボットをティーチングする際は、一つ一つの細かな位置決め動作を連続して指令することにより、目標とする動作を教示してゆきます。この際各位置決め命令中に、目標地点となるロボットの姿勢(座標)を1点教示します。
現在位置から目標位置までのルートは無数にありますので、オペレータが希望する経路をロボットに伝えるため補間指令を使用します。
また、位置決め命令中には、現在地点と目標地点の間を移動する際の速度速度も指定する必要がありますが、この速度の指定方法は使用する補間命令によって異なります。
ロボットの動作を考えるときには、ロボットの移動先位置データ、補間補法、速度を考える必要があります。すなわち、ロボットをどの位置へ、どのように、どのくらいの速さで動かすのかです。
リンク補間 MOVJ
MOVJ(Move Joint)指令は、リンク補間指令です。
リンク補間(joint interpolation) とはNC工作機械の早送り指令 G00 のような補間方法です。
ロボットの各関節のサーボモータががぞれぞれ動きやすいように動作しますので、 現在座標から指令地点まで移動するまでの、経路はロボット任せになります。
また、必ずしも現在位置と教示位置を最短経路で動作しません。
使用頻度は高いのですが、干渉には注意です。
リンク補間 MOVJ の速度指令方法
リンク補間でティーティングする際の移動速度指令は、最高速度に対するパーセンテージです。
0.01%~100%で指令します。どのくらいの速度で動作するのかがわかりにくいため注意が必要です。
(速度を変えたとしても、経路自体はほぼ変わらなかったような気がします。)
直線補間 MOVL
MOVJ(Move Linear)指令は、直線補間指令です。
直線補間 ( linear interpolation ) とはNC工作機械の直線補間指令 G01 のような補間方法です。
現在の座標から指定したポイントまで直線軌跡で移動します。
ワーク搬送時のアプローチの際に使用します。
直線補間 MOVL の速度指令方法
mm/secで指令します。0.1~1500mm/secです。
円弧補間 MOVC
MOVC(Move Circular)指令は、直線補間指令です。 円弧補間で、指定したポイントへ移動します。
3点以上の指令データを設定します。ワーク搬送中にどうしてもロボットを円弧軌道で動作させる必要がなかったためこれまでに、使用経験ががありません。
自由曲線補間 MOVS
MOVS(Move Spline)指令は自由曲線補間指令です。 自由曲線補間で、指定したポイントへ移動します。
MOVC指令と同様に、使用経験ががありません。
まとめ
- 最も使用頻度の高い移動指令はMOVL指令です。
- 補間方法によって速度指令方法が異なります。
以上です