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その他

【三菱FREQROL】インバータの手動操作

三菱電機製のインバータを最も手っ取り早く使用する方法について説明します。
今回はE-700シリーズのインバータの運転/停止つまりモータを回転・停止させる方法について解説します。

インバータの電気配線については、一次側と二次側の動力線のみで結構です。インバータ本体正面のパネルユニットを使用することで、簡単にインバータに接続したモータの回転速度調整や回転方向設定を行うことができるようになっています。

三菱電機製 FREQROL-E700シリーズ のインバータ
三菱電機製 FREQROL-E700シリーズ のインバータ操作ユニット

ただ動かすことが目的であれば、モータ定数・外部運転やネットワーク運転などのパラメータ設定をせずとも動作可能です。

具体的には以下の操作が可能になります。

  • 操作パネルにて設定した周波数にて運転を行う。
  • 操作パネルのボリュームダイヤルにて回転速度を調整する
  • JOG操作を行う。(緑色のRUNボタンを押している時だけ回転する)

手軽にインバータを起動できるため、試運転装置や簡単なジグとして使用する際にお勧めな起動方法です。

今回も三菱電機製 FREQROL-E700シリーズ のインバータ を例にして、説明してみます。インバータの操作手順やパラメータの詳細については、メーカカタログを参照願います。

今回の内容については、各インバータの取扱説明書の基礎編に記載があります。

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インバータのモードについて

インバータには複数の運転モード(Operation mode)設定モード(setting mode)容易されています。簡単にまとめてみます。

運転モード

シンボルモード詳細
EXT外部運転モード
PUPU運転モード
JOGPUJOG運転モード
NETネットワーク運転モード

設定モード

シンボルモード詳細
MONモニタモード
 およびPU周波数設定
PRMインバータパラメータ設定
 アラーム履歴表示モード

インバータの運転モード

運転モード切替とはインバータを操作する際に、適切なモードが選択されていない状態でのインバータ起動を防ぐために用意されている機能です。

例えばPU運転モードとはインバータの正面にいる操作者にだけインバータ起動を許可するモードとなっています。インバータに接続された機械からの起動信号をシャットアウトすることで、オペレータの意図しないタイミングでのインバータ誤起動を防ぐためのインターロック機能になっています。

インバータ工場出荷時の初期設定では、インバータ電源投入後は「外部運転モード」にセットされます。(Pr79==0)。これはインバータセットアップ時に誤ってRUNスイッチをおしてインバータが誤起動することを防止するためだとおもっています。

パラメータ 79 運転モード選択 初期設定は「0」で以下の動作となります。

外部/PU切換えスイッチ( PU/EXT)でPU運転、外部運転のモード切換えが可能
電源投入時は、外部運転モードになります。

インバータの運転モード
  • EXT
    外部運運転モード

    インバータ工場出荷時の初期設定では、インバータ電源投入後は外部運転モードになっています。

    三菱電機:FR-E700取扱説明書(基礎編)より

    外部制御端子を使用して運転を行います。
    始動信号により運転を開始します。

  • PU
    PU運転モード

    操作パネルを使用して運転するためのモードです。

    三菱電機:FR-E700取扱説明書(基礎編)より

    RUNボタンを起動スイッチとして、設定した周波数にて運転させることができます。

    操作パネルのダイヤルを速度調整ボリュームとして使用することも可能です。

  • PU-JOG
    PU-JOG運転

    JOGには、「ちょい押し」や「ゆっくり走る」という意味があります。

    三菱電機:FR-E700取扱説明書(基礎編)より

    インバータに接続されているモータを、「RUN」ボタンが押されている間だけ非常にゆっくりした速度で動かすことができる機能です。モータやポンプの回転方向の確認などに使用します。

  • NET
    ネットワーク運転モード

    MELSEC-FシリーズのRS-485通信によるインバータ制御や、CC-LINKなどの通信を使用してインバータを運転するモードです。

    三菱電機:FR-E700取扱説明書(基礎編)より

    外部運転と異なり、ネットワーク運転中は、インバータの内部モニタやパラメータ変更などができます。

インバータを手動操作するためのモード設定

インバータを手動操作するためには、インバータの操作モードをPU運転モードに設定する必要があります。インバータ起動時には外部運転モードになっているため、「運転モード切替スイッチ」を操作して、PU運転モードに切り替える必要があります。

インバータ PU/EXT

PU運転モード中は、[PU]表示LEDが点灯します。

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PU運転モード

PU運転モード中は、「RUN」ボタンを押すことで、モータ起動することができます。

また、[STOP/RESET]ボタンを押すことでモータ停止させることができます。

PU運転モードでの周波数設定

運転周波数の設定方法は、パラメータのPr.161 周波数設定/キーロック操作選択により2通りあります。

【Mダイヤル周波数設定モード】Pr.161 周波数設定=0(工場出荷時の初期設定)

初期設定では、以下の操作にて周波数変更することができます。

【Mダイヤルボリュームモード】Pr.161 周波数設定=1

ダイヤルをボリュームのように使用する事ができます。SETキーを押さなくても速度調整を行えます。

ボリューム操作時の周波数設定変更量(ゲイン)については、Pr295周波数変化量設定にて調整可能です。

JOG運転

JOG運転モード中は、RUNボタンを押している間だけ、モータが回転します。

素早いインチング操作が可能となっております。

JOG運転時の出力周波数の変更

Pr.15 JOG周波数 にて調整可能です。

初期設定は5Hzと非常にゆっくりとした速度です。

PU運転時のモータの回転方向切替

パラメータにて回転方向を切り替えることが可能です。
Pr.40 RUNキー回転方向選択。

あるいは、インバータの二次側の三相交流回路にて、U相とW相を入れ替えることで回転方向を切り替えることができます。

まとめ

インバータを最も手軽に使用する方法は、PU運転モードに設定して、RUNボタンを押すです。