ニチフ製差込形ピン端子(ピン端子内蔵PC形)の圧着手順について解説します。
ニチフ端子工業は圧着端子のトップメーカです。特に裸圧着端子についてはニチフ製をよく使用しております。
PC形の差込ピン端子は使い勝手が良いのですが、初めて見ると圧着の方法が分かりにくいです。専用工具が必要になりますのでご注意願います。
PC形差込形ピン端子の特徴
差込形ピン端子の特徴を簡単にまとめます。
- 端子台や中継ボックス不要で簡単に電線同士を中継できる。
- 抜き差しが可能である。
- ただし、防水性がないため、水や油のかかるような場所では基本的に使用できない。
- 対応可能な電線サイズは2sqまで。
- 電線は一対一接続しか出来ない
環境の悪い工場の中では油や水が掛からない場所はあまりありません。よって、実際にFA装置に使用する機会はあまりありないかもしれません。ちょっとした試運転装置や一時的な配線取付に使用する場合が多いです。
PC形差込形ピン端子の型式確認
まずはニチフ製の差込形ピン端子の種類についてまとめます。 差込形ピン端子 は以下の3つのサイズがあります。サイズよって適用できる電線太さが異なる点に注意が必要です。
型式 | 本体色 | 電線サイズ | 電線サイズ | |
PC 2005-M、 PC 2005-F | 透明(白) | 0.5-0.75sq | #20-18AWG | |
PC 4009-M、 PC 4009-F | 赤 | 0.75-1.25sq | # 18-16 AWG | |
PC 4020-M、 PC 4020-F | 青 | 2sq | # 14QWG |
メーカカタログによると、包装個数1000とありますが、ミスミなどのECサイトを使用すると、100個単位での購入が可能です。一袋100個入りから購入できます。
適用工具の確認
基本的には、ニチフの純正工具”NH32“を使用して圧着を行います。
芯線だけではなく、ケーブルの絶縁被覆部も同時にかしめるため、カシメ歯が2枚ある専用工具を使用する必要があります。
PC形差込形ピン端子をNH32という工具を使用して圧着する手順について説明します。
なお、芯線部だけであれば、通常の裸圧着端子用の圧着工具でもカシメられないことは無いのですが、安全性や信頼性を考慮すると、やはり純正工具を使用するほうが良いです。
PC形差込形ピン端子のセット
端子が3種類あります。1.25sq用の赤いPC端子を圧着する場合は、1.25sq用のダイスで圧着します。
なお以下の写真の緑色のケーブルは1.25sqのKIV電線です。
端子のセット方向は以下のようになります。
ピン端子本体のセット方向に注意してください。
カシメ後
カシメ後の写真は以下の通りです。
かしめたあとは軽く端子を引っ張って、端子が簡単に脱落しない事を確認しましょう。
以上です。
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