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ハード設計配線作業

【電磁接触器】富士電機と三菱電機の違い

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電磁接触器とは

電磁接触器(Electromagnetic Contactor )とは主に三相の動力回路(AC200Vや400V)のON/OFF制御を行うための電気部品です。単に、マグネットやコンタクタと呼ばれることもあります。

シーケンサの出力や電磁リレーの接点では、動力回路の開閉をするには接点容量がすくなすぎるため、大きい接点容量をもつ電磁接触器が使用されます。シーケンサの出力で電磁リレーを駆動し、電磁リレーの接点が電磁接触器のコイルを操作し、電磁接器の主接点で動力回路を開閉するというような使い方をします。

具体的な用途としては、インバータやサーボアンプの一次側に取り付けて、動力供給/遮断を制御する。サーマルリレーと組み合わせて、ポンプ、モーターおよびヒーターの始動/停止に使用する。

などです。

日本国内の電磁瀬接触器メーカは富士電機と三菱電機が大手になります。

それぞれ、いろいろな種類コンタクタが低用量から高容量まで小刻みに用意されていますので、それはもう莫大な種類のコンタクタが存在します。

補助継電器

補助継電器とは主回路がなく、すべてが補助接点のようなコンタクタです。
補助接点ですので、定格通電電流も10A程度と小容量である点に注意が必要です。

補助継電器に補助接点を追加すると、7A接点以上の大量の接点を同時に開閉することができます。

なお、通常は、補助継電器でAC200Vの動力回路を開閉することはあまりありません。インターロックや自己保持などの制御回路に使用します。

電磁継電器と補助継電器の違い

なお、余談ですが、制御回路に使用するリレーをそれっぽく書くと、電磁継電器です。

電磁継電器と補助継電器の違いは接点容量と線点数です。

電磁継電器よりも、補助継電器の方が、高容量であり接点数もおおいです。

あとは、補助継電器にはC接点がない点に違いがあります。

高感度コンタクター

高感度コンタクターとは、PLC出力ユニットのトランジスタ出力でダイレクト駆動が可能な電磁接触器です。インターフェース用の中継リレーが不要になるため、省スペース・省コストです。

ただし、あまりアンペアフレーム数が多いものはラインナップされていません。

小容量のコンタクタです。

富士電機

電磁開閉器3億台生産|factor|富士電機機器制御
累計生産台数3億台を突破した電磁開閉器の歴史

富士電機製の電磁開閉器のラインナップについて整理します。

SKシリーズ

SKシリーズは、富士電機製の高感度コンタクタです。

特徴消費電力が低いため、PLCのトランジスタ出力にて、操作コイルをダイレクト駆動可能という点です。

(富士電機) 電磁開閉器 総合カタログ 電磁接触器 , サーマルリレー シリーズ コイル特性 より

DC24Vの直流操作形高感度コンタクタの消費電力が2.4Wですので、DC24Vの場合、電流値は0.1Aとなります。

SCシリーズ

SCシリーズは小容量から中容量の電磁接触器です。

フレーム番号が03から5-1までの機種がSCシリーズになります。

定格通電電流が20Aから32Aまでがラインナップされています。

注意
  • DC24Vの直流操作コイルの消費電力は7Wです。負荷の種類は誘導性負荷です。
    7W÷24V=0.29Aと大きい値であることに注意が必要です。
  • 三菱電機製のシンクタイプトランジスタ出力ユニットQY40Pは最大負荷電流は、DC24V 0.1Aでです。SCシリーズの直流操作型電磁接触器を直接起動できません。中継用の電磁リレーが必要になります。 (こうなるとあえて、直流操作形を選ぶ必要がなくなるかも)

Neo SCシリーズ

Neo SCシリーズは中容量から大容量の電磁接触器です。

フレーム番号は、N1からN16までの機種がSCシリーズになります。

定格通電電流が50Aから800Aまでがラインナップされています。

三菱電機

三菱電機製の電磁開閉器のラインナップについて整理します。

2015年前後に、MS-Nシリーズの一部が、生産中止となり、MS-Tシリーズへと置き換わっています。

非常にややこしくなっているため、注意しながらラインナップを確認しましょう。

SD-Qシリーズ

SD-Qシリーズは高感度コンタクタです。

PLCのトランジスタ出力ユニットからダイレクト駆動可能です。

SD-Qと同様にPLCのI/Oユニットから直接駆動かな追うなMS-Tシリーズが 登場したため、立ち位置が微妙になりつつあります。カタログも2009年で更新が止まっていますし、何となくデザインが古臭い印象です。やがて生産中止しMS-Tシリーズに置き換わるのではないかおもわれます。(個人の勝手な推測・感想です。実際置き換わるかどうかは不明です。)

SRシリーズ

SRシリーズは補助継電器です。
(注意:三菱電機カタログ内では、電磁継電器と表記されています)

直流操作系の場合の型式は「SRD-T9」です。

これは、一つの継電器に9つの接点がついていることを意味します。
富士電機製の補助継電器は最大8点までなので、三菱製が優位です。

MS-Tシリーズ

MS-Tシリーズは小容量から大中容量の電磁接触器です。

13-32アンペアフレームのDC24V直流操作時のコイルの消費電力は、2.2Wです。

2.2W÷24V=0.09Aとトランジスタの定格出力DC24V 0.1Aを下回るため、PLC出力ユニットからのダイレクト駆動が可能です。

MS-Nシリーズ

1994年ごろに発売されている、非常に歴史のあるコンタクタです。

小容量のMS-Nシリーズは2015年に、MS-Tシリーズへ置き換わっています。

現在は定格通電電流の125A~800Aまでの機種は、未だMS-Nシリーズです。

もしかすると、将来的にMS-Tシリーズへと完全にと置き換わるのかもしれません。

富士電機と三菱電機の電磁接触器の配線上の注意点

直流操作コイルには極性があるのですが、両者でコイルの配線位置が違います。

直流操作コイルの端子番号は A1がプラス側、A2がマイナス側です。

富士電機 SCシリーズの場合


A1がプラス側、A2がマイナス側

左側が A1(プラス) です。
右側が A2(マイナス) です。

三菱電機 SCシリーズの場合

右側がA1(プラス) です。
左側が A2(マイナス) です。

まとめ

  • 直流操作コイルの極性はどのメーカであっても、A1がプラス側、A2がマイナス側です。
  • 交流操作コイルには極性がありません。
  • 三菱電機製の電磁接触器は、左側がA2(マイナス)です。右側がA1(プラス)です。
  • 富士電機製の電磁接触器は、左側が A1(プラス) です。右側が A2(マイナス) です。
  • 極性を間違えて配線しても、破損することは無いと思われるが、電圧を印可しても主接点は動作しません。

富士電機製と三菱電機製を混在して使用する場合は、慣れがあるため、間違えることは少ないと思います。

どちらか一方ばかりを使用していると、まれにもう一方を使用するときに注意が必要かとおもわれます。

以上です。