MELSOFT GX Developerは三菱電機製シーケンサの開発ソフトです。
MELSEC-Aシリーズ等の古いシーケンサのソフト改造案件等でごくまれに使用することがあります。
使用頻度が低く、なかなか使い方を覚えられないGX Developerですが、今回は便利な使い方などをまとめたいと思います。
必要な機能を素早く使用することで、少しでも時短を図り作業を効率化することができます。
結論を先にまとめると以下のようになります。
- デバイスコメント表示
→「Ctrl」キー+「F5」 - クロスリファレンス表示
→「alt」キー+「9」*F9ではない点に注意 - デバイス使用リスト
→「メニューバー」→「検索/置換」→「デバイス使用リスト」
本記事が、少しでも参考になり役に立てると嬉しいです。
GX Developerを使用する背景
三菱電機製MELSEC-Aシリーズ(AnNCPU等)は2006年ごろに生産中止になったシーケンサです。
Aシリーズを採用しゼロからの新規でソフト設計を行うことはもうないとは思いますが、まだまだ現場で現役で活躍していることもあるかと思います。このAシリーズシーケンサのデータバックアップ・ソフト改良などの保全作業時には、「MELSOFT GX Developer」というソフトウェアを使用する必要があります。
なお、FXシリーズについては、相当古い機種であってもGX Works2に対応しています。
GX Developerを使用するのは、対象がAシリーズシーケンサであることがほとんどです。
MELSOFT GX Developerを便利にする設定
ラダーソフトを読み解く際、私が頻繁に使用する機能は以下の通りです。
- デバイスコメント表示
- クロスリファレンス機能
- デバイス使用リスト
GX Developerにてこれらの機能を使用する方法を説明します。
デバイスコメント表示
GX Developerを起動し、実機シーケンサ本体からプログラムを読みだした直後は、デバイスコメントを表示する設定になっていない場合があります。
この場合、ショートカットキー「Ctrl*F5」で素早くデバイスコメントを表示させましょう。プログラムを読みだした後は「Ctrl*F5」です。癖付けしてもよいかもしれません。
クロスリファレンス機能
クロスリファレンス(Cross reference)とは、あるデバイスがプログラム中のどこで、どのような用途で使用されているのかを調べるための機能です。
Cross referenceを直訳すると、相互参照になります。ビットデバイスの場合「コイル」と「接点」の使用先を相互参照することができます。
クロスリファレンス機能は検索機能とよく似ています。しかし、以下のように全接点・コイルを一括して検索し、リスト表示する点で、検索機能よりもはるかに便利な機能になっております。
通常ラダープログラムを読み解く際、あるビットデバイスのはたらきを調べたい場合以下の作業を行います。
- デバイスコメントやデバイス種類・割り付け領域から、おおよその役割を推測する。
- デバイスのコイルのON条件を調べる。
- デバイスの接点の使用状況を調べつつ、関連するデバイスを調べる。
ざっくりと上記のようなようなイメージです。
この際、デバイスのON条件を調べるために、デバイス検索機能(Ctrl+F)を使用すると何度も「次を検索」ボタンを押さなければなりませんし、全体的な雰囲気もつかみずらいです。
はやりクロスリファレンス機能を使用したほうが便利だと思います。
クロスリファレンスの使い方
GX Developer起動後に、「メニューバー」→「表示」→「クロスリファレンスウィンドウ」にて表示することができます。
ショートカットキーを使用する場合。「Alt+9」です。
Works2では画面右側に配置できましたが、デベロッパーでは、下部固定です。
表示領域が食われてしまうため「Alt+9」で必要な時だけ表示してもよいかもしれません。
クロスリファレンスによく似た機能
GX Developerには、「接点コイル使用リスト」という機能があります。
「メニューバー」→「検索/置換」→「接点コイル使用リスト」から起動することができます。
クロスリファレンスと同様に、検索デバイスの接点・コイルをリスト表示してくれます。
クロスリファレンスはプログラム編集領域にあるカーソルが当てられているデバイスに、自動追従してリストを更新してくれます。
一方「接点コイル使用リスト」では自動追従してくれません。
デバイス使用リスト
デバイス使用リストとは、対象プログラム中にデバイスが割り付けあれているかどうかを確認するための機能です。
「メニューバー」→「検索/置換」→「デバイス使用リスト」にて表示することができます。
ビット単位で空きデバイスがあるかどうかを調べることもあれば、数~数十単位、もしくはそれ以上の広い領域で連続した空きデバイス領域を調べることもあります。
備考
Gx Worksでは1プロジェクト1ファイルで管理できるため、とてもシンプルです。
一方、GX Developerでは1プロジェクトで1つのフォルダが作成されます。
例えば、GX Developerにて読み取ったラダープログラムをCドライブのtestフォルダ内に「ProjectName」というプロジェクト名で保存します。
C:\test\ProjectName
すると、「C:\test」に「ProjectName」というフォルダが作成され、
その中には以下のファイルが格されます。
次回以降このプロジェクトを開くときには、「gppw.gpj」をダブルクリックします。
なお「Gppw.gps」をダブルクリックすることでもプロジェクトを開くことも可能です。Gppw.gpsは起動設定ファイルと呼ばれます。
参考
MELSEC-Aについては、三菱FAサイトを参照するのが良いと思います。
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