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ハード設計

【安全回路】ミラーコンタクトと強制ガイド機構と強制開離機構の違い

安全回路に使用されているセーフティーコントローラユニットでは、設備可動部への動力供給を行うための開閉機器の接点をモニタすることにより、開閉機器の主回路溶着を検出し、溶着を起こした状態での設備の運転を禁止します。

このように接点を検出する機能を、バックチェック、外部リレーモニタ機能やEDM(External Device Monitoring)と呼びます。

バックチェック機能を使用するためには、セーフティーリレーやミラーコンタクト機能付きの電磁接触器を使用する必要があります。

これらの構造や働きの違いを整理してみます。

また、これらに似た言葉に「強制開離機構」があります。

強制ガイド機構と強制開離機構はまったくの別物であるため、整理の必要があります。

本記事では、以下の3つの違いについて解説します。

  • ミラーコンタクト(安全開離機能)
  • 強制ガイド機構
  • 強制開離機構(直接開路動作機構)
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ミラーコンタクト(Mirror Contacts)

ミラーコンタクト機構は、主に電磁接触器(Magnet contactor)が備えている機構です。

三菱電機製の電磁接触器では、特に安全開離機能と呼ばれています。

電磁接触器の主回路(A接点)が溶着した状態で、コイル励磁がOFFになったとしても、補助接点ブロックのNC接点(ノーマルクローズ接点)は開放状態になる機構です。

強制ガイド機構(Force Guided Contacts)

強制ガイド機構とはセーフティーリレーに採用されている機構です。強制ガイド接点と呼ばれることもあります。

強制ガイド機構とは、リレーコイル励磁ON中にNO接点が溶着してしまった場合にリレーコイルの励磁をOFFしても、NC接点が元に復帰せず、開放状態を保持する機構です。(ただし、溶着したNO接点を引きはがすことはできないため、NO接点は導通、NC接点は開放となります。)

一般リレーとセーフティーリレーの比較

一般リレーとセーフティーリレーを比較してみます。

一般リレーの接点構造は「COM」端子とNO端子とNC端子を持つ「C接点機構」を有しています。

一般リレーのC接点
一般リレーのC接点

これに対し、セーフティーリレーの強制ガイド接点は、NC接点とNO接点が機械的にリンクしているため、NOとNC接点が連動して開閉する仕組みになっています。

コイル励磁ON中にNO接点が溶着した場合にコイルの励磁をOFFにした時、にNC接点とNO接点が連動して動作するため、NC接点が元の導通状態にならず、開放のままとなります。

強制ガイド付きのセーフティーリレー
セーフティーリレー

また、万が一リレーコイル励磁OFF中にNC接点が溶着した場合は、リレーコイル励磁をONしてもNO接点は導通しません。

このように強制ガイド機構を持つリレーには、「NC接点とNC接点が同時にONすることがない」という性質があります。

強制開離機構のように、接点を引きはがすことはできません。

強制開離機構(Positive Break Contacts)

強制開離機構(きょうせいかいりきこう)は、直接開路動作機構(ちょくせつかいろどうさきこう、Direct Opening Mechanism)と呼ばれることもあります。

ミラーコンタクトや強制ガイド機構とは考え方が異なります。ミラーコンタクトや強制ガイド機構がリレーなどの開閉機器に使用されるのに対し、強制開話機構は非常停止ボタンやドアロックスイッチに採用されています。

接点が導通しているときに、 万が一 接点が溶着したとしても、アクチュエータが動作する時の力で溶着した接点を強制的に引きはがし、電流を遮断する機構になっています。

アクチュエータの動作とは、非常停止押しボタンスイッチであれば、人がボタンを押したときの操作です。リミットスイッチでは、プランジャが駆動する動作、ドアロックスイッチであれば、鍵が抜ける際にスイッチ内のカムを操作する動作が直接、電気的な接点に作用することで、溶着していたとしても接点が引きはがされるようになっています。

強制開離機構と強制乖離機構

どちらも「きょうせい かいり きこう」となりますが、メーカによって表記方法にばらつきがみられました。

接点が溶着していたとしても、「強制的」に「引き離して、接点を開く」ことを意味しているのですが、接点をはがすことを、「開離」と書くのか「乖離」と書くのかによって分かれているようでした。

IEC 60204-1

まとめ

  • ミラーコンタクト(安全開離機能)
  • 強制ガイド機構
  • 強制開離機構(直接開路動作機構)

について説明してみました。

呼び方がどれもよく似ており、非常にややこしいです。仕組みや構造の違いを整理して覚えるとよいと思います。

以上です

参考URL

IDEC社による強制ガイド式リレーの解説です。

IDEC製の強制ガイド式セーフティーリレーに「RF1V-2A2BLD1-D24」「SF1V- 4-07L」があります