VT STUDIOは、KEYENCE製VT3/VT5シリーズタッチパネル用の作画編集ソフトです。タッチパネルシリーズにより使用するアプリケーションが異なります。
VT 3シリーズ向けの作画ソフトが、VT STUDIO(VT3シリーズ)であり、
VT 5シリーズ向けの作画ソフトが、VT STUDIO(VT5シリーズ)となっています。
VT STUDIO(VT3シリーズ)とVT STUDIO(VT5シリーズ)は別のソフトです。メニューバーの構成などにも若干の違いがあります。
VT STUDIO(VT5シリーズ)ではシミュレーション機能が用意されているため、実機を使用せずとも作成中の画面ソフトの動作確認をすることができます。
実機PLCを使用せずにシミュレーションをする方法は以下の2通りです。
- デバイスシミュレータを使用する方法
- KV STUDIOとVT STUDIOを連携してシミュレーションする方法
今回は、これらのシミュレータ機能の使用方法についてまとめてみたいと思います。画面ソフトを作成した際は、ほぼ必ず使用する機能だと思いますので、シミュレータは使用頻度の高い機能です。シミュレータ機能はデバッグ作業だけではなく、タッチパネルやPLCラダープログラムの学習の際にも使用しますので、使い方を確認しておきましょう。
- VT STUDIO(VT3シリーズ)では、実機なしでのシミュレーションを行うことができません。注意しましょう。
- VT STUDIO(VT3シリーズ)で画面ソフトのシミュレーションを行うためには、タッチパネルVT3の実機本体が必要とのことです。
- VT3シリーズとVT5シリーズの発売時期は調査しても不明でしたが、各シリーズのハードウェアマニュアルの改定時期を確認するとVT3が2006年、VT5が2015年とのことでした。
VTシミュレータ機能
VT STUDIO(VT5シリーズ)には、VTシミュレータという作成中の画面ソフトの動作確認を行うためのシミュレーション機能が用意されています。VTシミュレータはVT5シリーズのみ使用することができます。VT5シリーズタッチパネル本体を使用せずにPC上で画面切り替えやデバイスのチェック、デバイスON/OFF時のランプ表示の確認を行うことができます。
特に画面遷移(ページ切換)のチェックについては、実機ではなく机上でチェックを終えたいいところです。
三菱電機製GT Designer3 ではプレビューモード(Ctrl+I)を利用して簡易的に画面チェックを行うことができます。画面操作時のページ切替先を簡単に確認することもできます。
一方、KEYENCE製VT STUDIOにも、簡易的な画面チェック機能として、Viewモードが用意されているのですが、このモードではページ切替のチェックを行うことができません。VTシミュレータ機能を使用してチェックするしかありません。
シミュレーション可能な条件
PLC機種は、KV-7500/7300/5500/5000/3000、KV Nanoシリーズを選択
VT機種は、VT5シリーズを選択
「ファイル」→「新規作成」→「VT機種設定」により、対象VTをVT5シリーズとしておきましょう。
KV STUDIOでのシミュレーション方法
シミュレータ機能を使用するためには、「メニューバー」→「ツール」→「VTシミュレータ起動」を選択します。
ショートカットキー F8 でも起動可能です。
上記の方法でVTシミュレータを起動すると、以下のダイアログウィンドウが表示されます。
上記のウィンドウにある通り、実機PLCやタッチパネルを使用せずにシミュレーションをする方法は以下の2通りです。
- デバイスシミュレータを使用する方法
- KV STUDIOとVT STUDIOを連携してシミュレーションする方法
実機PLCと接続する際には、当然実機PLCを用意する必要があります。
違いは、ラダー側のシミュレータソフトと連携するのかどうかです。
ラダー側と連携シミュレーションを行った場合、タッチパネル側からだけではなく、ラダー側からもデバイスの読み書き処理が行われます。
簡単なチェックであればデバイスシミュレータ、より実機環境に近づける場合やラダー側とHMIソフト側を連動させる場合は連携シミュレーションを行うのが良いでしょう。
デバイスシミュレータを使用する場合
KV シミュレータ起動画面にて、「デバイスシミュレータと接続」を選択することで、デバイスシミュレータを使用して、VT STUDIOにて作成した画面ソフトの動作確認を行うことができます。
- 数値入力オブジェクトテンキーによる数値入力
- ビットランプオブジェクトのデバイス割付やランプ点灯確認
三菱電機製GT Designer3にも GT Simulator3というシミュレータ機能が内蔵されはいるのですが、画面作画ソフト単体ではシミュレーションを行うことができません。先にラダープログラム編集ソフトGX Works側のシミュレーションを起動させておく必要があります。(GT Designer3 version1.231R 2020年5月時点)
一方で、KEYENCE製VT STUDIOでは、デバイスシミュレータ、を使用することで、作画ソフト単体でのシミュレーションが可能となっております。
KV STUDIOとVT STUDIOを連携してシミュレーションする方法
VT STUDIOにも、ラダー編集ソフトKV STUDIOと連携してのシミュレーションが可能です。
現在起動中のKV STUDIOと連携させるのが良いと思います。
まとめ
- キーエンス製のタッチパネル作画ソフトVT STUDIOのシミュレーション方法について説明してみました。
- キーエンス製VT STUDIOは画面ソフト単体でシミュレーションを行うことができます。