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その他ハード設計

【機械材料】電気設計者も把握しておきたい機械材料

電気設計者であっても、ある程度機械材料についての知識が必要になります。

機械設計者と会話するためにも最低限度の機械材料についてまとめておきたいと思います。

本記事中に板厚についての記述があります。板厚の種類については皆様が取引されている加工業者様が在庫をお持ちかどうかが重要だと思います。加工業者様ごとの得意・不得意もあるかと思います。
念のため、加工業者様に確認をしておいたほう良いでしょう。

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金属材料

鉄系材料

SS400/SPCC/SPHC/S45Cがよく登場する部品です。

アンカーブラケットなどの厚みのある部品・フライス加工が必要な部品にはSS400を使用します。この中でも特に強度が求められる部品にはS45Cを使用します。

板厚の薄い板金形状の曲げ部品や、安全カバーについては、SPHC/SPCCを使用します。
SPHC/SPCCの使い分けは曖昧です。SPHCのほうが安価とされていますが、設計者や参考部品によって変わったりしますし、そこまで細かな違いがないと思っています。

SS400

SS400は一般構造用圧延鋼材の1種です。
SSはStructural Steelです。400は引っ張り強さの程度を表しています。

最も多く使用されるように思います。

SPCC

SPCCは、冷間圧延鋼板(れいかんあつえんこうはん)です。
Steel Plate Cold Commercialの頭文字をとったものです。
安価ですが、SS400よりも機械的強度に劣るそうです。

板厚は、1.2mm/2.3mm/3.2mmが良く使用されます。

SPHC

SPHCは、熱間圧延軟鋼板(ねつかんあつえんこうはん)です。
Steel Plate Hot Commercialの頭文字をとったものです。

安価ですが、SS400よりも機械的強度劣るSPCCよりも更に弱いため、機械構造部品としてはあまり使用されていないように感じます。私は、制御盤内で使用するちょっとした板金であれば、SPHCでよいと思っています。

板厚は、SPCC同様1.2mm/2.3mm/3.2mmが良く使用されます。

S45C

S45Cは機械構造用炭素鋼鋼材の一種です。
S45Cは炭素を0.45%前後含んでいます。

強度が必要な部品にはS45Cを用い、それほど強度が必要でない部品にはSS400を使用します。

アルミニウム系

アルミニウムや鉄の比重の1/3です。非常に軽量であり、さびにくい特徴があります。
ただし、機械的強度に劣ります。
あまり使用したことはありません。

A5052

アルミニウム合金の中で、最もポヒュラー材料がA5052です。アルミニウムに少量のマグネシウムが添加されています。

ステンレス系材料

ステンレスは耐食性・耐薬品性に優れた材料です。材料記号のSUSは、”Steel Use Stainless”、サスと呼ばれます。

ただし、SS400よりも高価である点には注意が必要です。


その名の通り、表面処理を行わなくても基本的にはさびることはありません。ただし、絶対にさびないわけではなく、ステンレスその金属がさびることでステンレス自体もさびるという、もらいさび現象が起きる場合があります。


またステンレス材料には、硬く粘りが強いため追加工の穴あけ作業を行いにくいといった特徴があります。ステンレスへの穴あけは、ドリル・タップの折損が怖くいため嫌な作業です。新品のドリルと切削油スプレーを使用しましょう。その他のコツとしては、ドリルの回転数を控えめにしておくとよいです。

なお、ステンレスは磁石につかないというイメージがあるかもしれませんが、実はこれは誤りです。一般的に広く普及しているオーステナイト系のSUS304は非磁性体が、これ以外のフェライト系・マルテンサイト系ステンレスは強磁性体であるため、磁石がくっつきます。

300番台がオーステナイト系、400番台がフェライト系マルテンサイト系のです。

オーステナイト系ステンレス

オーステナイト系ステンレスの代表格がSUS304(サスさんまるよん)です。
SUS304は、最も普及しているステンレスです。
他のステンレスよりも、耐食性(さびにくさ)・機械強度に優れています。
キッチン天板(ワークトップ)・鍋・やかん・保温水筒などのキッチン用品に、使用されていることがあります。

SUS304は、鉄を主成分としており、クロム(Cr)を18%、ニッケル(Ni)を8%を含むため、18-8ステンレス(別名18Cr-8Ni)とも呼ばれることもあります。

機械材料としても、SUS304を使用することが多いと思います。

板厚は、1.0/1.2/1.5/2.0程度をよく使用すると思います。

フェライト系ステンレス

SUS430(サスよんさんまる)はフェライト系の代表格です。

オーステナイト系ステンレスには、ニッケル(Ni)が添加されているのに対し、フェライト系はクロム(Cr)のみとなっています。18ステンレスと呼ばれることがあります。

強度や耐食性はSUS304に劣りますが、磁性がある・SUS304よりも安価という特徴があります。

なお、業務用の厨房キッチン・ラックにはSUS304ではなく、SUS430が使用されていることが多いです。

マルテンサイト系ステンレス

代表的なものはSUS403、SUS410の13クロム系のステンレスです。

エンジニアリングプラスチック

MCナイロン

MCナイロンは、Monomer Cast nylon(モノマーキャストナイロン)です。

MCナイロンは、三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社の商標登録となっています。

特徴は何と言っても、あの青色です。非常に目立ちます。あえて青色に塗装して言うのではなく、樹脂そのものの色が青色なのです。
機械的強度がそれなりに高く、耐摩耗性・耐薬品性に優れいるとされており、ワークの案内・治具等様々な場面に使用されます。

ただし、MCナイロンに直接タップ穴を加工することはできないため、ヘリサート(スプリュー)と呼ばれる部品を埋め込み、ネジ穴を補強してあげる必要があります。

PET

PETは透明性の樹脂プレートです。
PETとはPolyEthylene Terephthalate、ポリエチレンテレフタレートです。
飲料保存用のペットボトルとして有名なプラスチックです。
(なお、ペットボトルは和製英語です。般的に plastic bottle と表現します。)

PET樹脂は、透明性が高いため、機械設備の安全カバーとして使用する場合があります。
一般的に、透明アクリルよりも強度が高いとされており、PETはカバーに適した材料だと思います。


可動部の安全カバーとして使用する場合は、PET樹脂の板厚が5mmのものを使用します。
ちなみに、5mmの平板でもサイズによっては取付時に”たわみ”が生じる場合がありますので、固定用のボルト位置の設計には経験が必要と思います。

PETは制御盤内の追加の造作端子カバーに使用します。