SUS製SIOコントローラは 電気的な知識が不要であるため初めてでも誰でも簡単に制御を行うことが出来るというのがコンセプトになっています。PLCを使用するほどでもない、小規模なジグ・設備に使用するにはちょうど良い、コストパフォーマンスに優れたコントローラです。
SIOコントローラを使用する前に注意すべき点として、SIOコントローラには、ラダー言語を使用しない独自のプログラミング 方式が採用されている点です。
普段使用しているラダー言語とは全く異なる考え方でプログラミングを行うため、慣れないうちは少しわかにくいです。
本記事では、SiO-Programmerとラダー言語の違いについて説明する為に、いくつかラガー言語にて記述したシーケンス図を SiO-Programmer にて記述する方法を説明します。
SiO-Programmerについて
SiO-ProgrammerはSUS社WEBサイトより無償でダウンロードすることが出来ます。
セットの際の注意事項などについては以下の記事にまとめています。
簡単な入出力
以下のような簡単な回路をSiO-Programmerで記述するとどうなるのでしょうか?
ラダー言語では、入力INの状態をそのまま出力する回路となりますが、
SiO-Programmer の場合、OUT1の「ON条件」と「OFF条件」を個別に考える必要があります。
OUT1のON条件は、そのままIN1ONです。
OUT1のOFF条件は、そのままIN1OFFです。
SiO-Programmer にて記述する内容は、以下のようになります。
ON条件
IN1がON
OFF条件
ONの条件がOFF
起動条件の多い回路
条件が複数ある場合の回路です。
この回路の場合、ONの条件が5つ、OFFの条件が2つ揃ったときに、出力OUT1がONします。
ON条件は2つまでしか設定できないように見えますが、
この場合、画面右下の「複数選択」という機能を使用するとよいでしょう。
各入出力や内部フラフの組み合わせを選択できるようになっています。
複数選択機能を使用することで、条件の多い回路を作成することが出来ます。
SiO-Programmer にて記述する内容は、以下のようになります。
ON条件
複数条件がON さらに
停止条件IN2がOFF
OFF条件
ONの条件がOFF
自己保持回路をSiO-Programmerで記述する
停止優先自己保持
以下のような回路を SiO-Programmer で実現することを考えてみます。
上記自己保持回路は、以下のような動作をします。
- 起動入力(IN1)がONすると、停止入力(IN2) がONするまで出力(OUT1)がONする。
- 出力 (OUT1) がONした後は、 起動 入力 (IN1) がOFFしても、出力 (OUT1) はONになる。(自己保持)
- 停止入力(IN2)がONすると、出力 (OUT1) がOFFする。
- 停止入力(IN2)がON中に、起動入力(IN1)がONしても、出力(OUT1)はONしない。 (インターロック)
- 停止入力(IN2)と起動入力(IN1)の両方をONした状態から、停止入力 (IN2)をOFFにすると出力(OUT1)がONする。
SiO-Programmer にて記述する内容は、以下のようになります。
ON条件
起動 ( IN1 ) がON さらに
停止(IN2) がOFF
OFF条件
停止(IN2)がON
停止優先自己保持 (立ち上がり微分)
かなり特殊な操作ですが、以下のような回路も SiO-Programmer 対応可能です。
先ほどの回路との違いは、停止入力(IN2)と起動入力(IN1)の両方をONした状態から、停止入力 (IN2)をOFFにしたときに、出力(OUT1)がONするかしないかです。
起動可能な条件(停止入力IN2=OFF)を満たした状態からの起動しか受け付けない回路です。
SiO-Programmer にて記述する内容は、以下のようになります。
ON条件
起動 ( IN1 ) がON
OFF条件
停止(IN2)がON
起動優先自己保持回路
この自己保持回路のパターンは、停止と起動が同時にONになった場合に起動を優先する自己保持回路です。
この場合、出力がアラームランプやブザー、停止がアラームやブザーの停止スイッチと考えるとこの回路の用途がイメージしやすいと思います。
出力OUT1のOFF条件を「停止(IN2)=ON かつ起動(IN1)=OFF」とすることで実現することが出来ます。
SiO-Programmer にて記述する内容は、以下のようになります。
ON条件
起動 ( IN1 ) がON
OFF条件
停止(IN2)がON さらに
起動 ( IN1 ) がOFF
まとめ
- 特に自己保持回路を中心にラダー言語とSiO-Programmer言語を比較してみました。
次はタイマー回路について説明してみたいと思います。
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