少し古いシーケンサとパソコンの接続
長年稼働している機械や遊休設備に搭載されているような古いPLCとパソコン通信することがあります。
はじめて接続設定を行う際は、戸惑ってしまうと思いますので、接続方法について解説したいと思います。
丸型のミニDIN 6P ポートの搭載機種
三菱電機製のPLC(シーケンサ)の場合、 レガシーな機種では RS-232用の通信ポートが採用されていました。現行機種であるユニバーサルモデルQCPUにて採用されている「mini USB Type−B」の通信ケーブルが使えない場合があります。
具体的には以下の機種が該当します。
MELSEC-Qシリーズ名 | ELSEC-Q 機種 | インターフェースコネクタ |
ベーシックモデル QCPU (2018年09月生産終了) | Q00JCPU Q00CPU Q01CPU | RS-232C 丸型コネクタ ミニDIN 6P |
ユニバーサルモデル QCPU (2018年09月生産終了) | Q00UJCPU Q00UCPU Q01UCPU | RS-232C 丸型コネクタ ミニDIN 6P |
これらの機種には、 丸型のミニDIN 6P ポートが搭載されています。
ミニDIN 6P ポートの変換ケーブル
これらの機種と通信しPLCソフトのデータを読み書きする場合、
RS-2323C通信用の D-Sub 9Pin(メス)とミニDIN 6P(オス)のインターフェースケーブル(変換ケーブル)を使用します。
純正品は以下の通りです。
*必ずしも純正品でなければならないわけではありません。
自己責任になりますが、ミスミやAmazonなどでサードパーティ製を購入しても接続できる場合は多いと思います。
シリアルコンバータ
この変換ケーブルに加えて、最近のノートPCではもうRS-232CのD-Sub9ピンのコネクタが使われていないため、USB-RS232Cのシリアルコンバータも追加で使用する必要があります。
USB-RS232Cのシリアルコンバータ を使用して、三菱電機製のシーケンサとパソコン間で通信してシーケンスプログラムの読み書きをする方法について説明します。
接続方法
用意するモノ
- ノートパソコン(USBポートを1ポート使用します)
- エンジニアリングソフト(GX Developerもしくは、GX works2)
- RS-232C-USBシリアルコンバータケーブル *D-Sub 9Pin(オス)-USB(PC側)
- RS-2323C通信用の D-Sub 9Pin(メス)とミニDIN 6P(オス)の変換ケーブル
接続時の構成
接続の構成は以下の通りです。用意したケーブルを接続します。
シリアルコンバータ仕様準備
シリアルコンバータのドライバインストール
一般的にシリアルコンバータのドライバ(CD-R)は製品購入時に、本体に同梱されています。
紛失してしまった場合やノートPCにCDドライブがついていない、以下のサイトからダウンロードすることが出来ます。
ポート番号の調べ方
ドライバーをインストールした後に、パソコンにシリアルコンバータを接続すると、ケーブルがパソコンンに認識されます。
そのあと、デバイスマネージャから、シリアル通信のcomポート番号を調べます。
調べ方は以下の通りです。
この場合シリアルコンバータのポート番号は「COM4」である事がわかります。
使用するノートPCによって、COM番号の割付が変わります。ちゃんとチェックしましょう。
GX Works2の通信設定
PCシリーズ選択
QCPU(Qモード)で「OK」
続先設定(connection1)」
→パソコン側I/FシリアルUSB
→パソコン側I/Fシリアル詳細設定
シーケンサ側I/Fは変更不要
他局指定は変更不要です。
(他局設定なし)
パソコン側はUSBポートを使用していますが、パソコン側I/Fは、「RS-232C」側にチェックを入れる必要があります。
この時、ポート番号を選択する必要があります。
伝送速度については、特に変更する必要はありません。
ここで、先ほど調査したCOMポート番号を設定する必要があります。
以上で接続設定は終了です。
まとめ
ベーシックモデルのMELSEC-Q CPUは2018年に生産終了しています。
しかしこれらの機種も、工場内では未だに現役で活躍しているとおもいます。
もし、これら設備の保守や改造工事を行う場合はシリアルコンバータを使用してシーケンサとRS-232Cを使用したシリアル通信接続をする必要があります。
上記を参考にしてパソコンと通信してみてください。
以上です。
コメントを投稿するにはログインしてください。