【MELSEC-F】シーケンサとGOT(GT21)タッチパネルを直接接続する方法(ハードウェア編)

シーケンサとGOT表示器を接続する方法はいくつかあります。

最もシンプル・安価・簡単にPLC-GOT間を1対1接続する方法の一つに、直接接続という接続方法があります。

CPUと表示器を接続する際に使用するケーブルを直結ケーブルと呼ばれることもあるためか、直結接続と呼ばれる場合もあるかと思います。

シーケンサFXCPU(FX3U,FX3G,FX3S)もプログラマブル表示器GT21モデルもともに、使用しやすい価格帯であり、コストを優先する場合などに採用することがあるかと思います。このような場合は、PLCとGOTを直接接続で接続し使用することが多いと思われます。

なお、MELSEC-Fとよく似ているシーケンサにMELSEC-iQ-Fが存在します。
外見や名称はよく似ていますが、全く別物であるため注意しましょう。

また、GOT2000シリーズをシーケンサへ接続する際には、

GOT2000シリーズ接続マニュアル(三菱電機機器接続編) GT Works3 Version1対応  

を参照するとよいでしょう。以下のサイトから最新版をダウンロードすることができます。

GOT2000本体

まずは、GOT2000シリーズのGT21モデルのラインナップの確認を行います。

同一の画面サイズの表示器であっても、通信ポートの有り無しによって定価に違いがみられます。

通信ポートをシーケンサとの接続のためだけに使用する場合は、Ethernet対応品よりもシリアルI/F対応品を選定したほうがより安価にシステム構築することができるかと思います。

型式		メモリ	サイズ	電源	通信ポート	定価
GT2103-PMBDS2	モノクロ 32階調	3MB	3.8型 [320×128]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232(2ch)	¥25,000
GT2103-PMBDS	モノクロ 32階調	3MB	3.8型 [320×128]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232 ・RS-422/485	¥27,000
GT2103-PMBD	モノクロ 32階調	3MB	3.8型 [320×128]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-422/485 2.Ethernet	¥32,000
GT2104-PMBDS2	モノクロ 32階調	6MB	4.5型 [384×128]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232(2ch)	¥39,500
GT2104-PMBDS	モノクロ 32階調	6MB	4.5型 [384×128]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232 ・RS-422/485	¥39,500
GT2104-PMBD	モノクロ 32階調	6MB	4.5型 [384×128]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-422/485 2.Ethernet	¥51,500
GT2104-RTBD	カラー 65536色	6MB	4.3型 [480×272]	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232 ・RS-422/485 2.Ethernet	¥63,000
GT2105-QMBDS	モノクロ 32階調	9MB	5.7型 [320×240] QVGA	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232 ・RS-422/485	¥69,000
GT2105-QTBDS	カラー 65536色	9MB	5.7型 [320×240] QVGA	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232 ・RS-422/485	¥85,000
GT2107-WTBD	カラー 65536色	15MB	7型ワイド [800×480] WVGA	DC24V	1.シリアルI/F ・RS-232 ・RS-422/485 2.Ethernet	¥128,000

GT21の全シリーズをまとめていません。他にも種類がありますので詳細はメーカカタログやマニュアルを参照願います。

GT2103-PMBDS2【3.8型シリアル通信モデル】

GT2103-PMBDS2には、RS-232C通信ポートが2ch分用意されています。

一方が、MINI-DIN 6 ピン形式のコネクタです。
もう一方はコネクタ端子台(9 ピン)になっています。

GT21モデル中において最も安価な表示器であるため、ついつい購入したくなりますが、通信対象のシーケンサにFX3シリーズを選定する場合は注意が必要です。

GOT側シリアルI/Fの仕様がRS-232であり、FXCPU側の通信ポートはRS-422となっております。FX3Gと直接接続するためには、機能拡張ボード「FX3G-232-BD」が必要となり、FX3Uと接続するためには機能拡張ボード「FX3U-232-BD」が必要になります。少しややこしいので要注意です。

RS-232C通信用機能拡張ボード FX3G-232-BD

GT2103-PMBDS【3.8型シリアル通信モデル】

GT2103-PMBDSは、RS-232とRS-422/485通信ポートが用意されています。

FXCPUシーケンサ本体側には、RS-422通信ポートが用意されているため、FXCPUに接続しやすいと思います。

GT2103-PMBD【3.8型Ethernet通信モデル】

GT2103-PMBDには、1.シリアルI/FRS-422/485に加え、Ethernetポートが用意されています。

GT2104-PMBDS【4.5型シリアル通信モデル】

GT2103-PMBDSが3.8インチに対して、GT2104-PMBDSは4.5インチです。画面サイズも大きく使用しやすいかと思われます。

GT2104-PMBD【4.5型Ethernet通信モデル】

直接接続の実例

MELSEC-Fシリーズと表示器をRS-422接続する方法について実例を挙げて解説します。

例として、

• FX3GシーケンサとGT21モデルタッチパネル「GT2104-PMBDS」を1対1で直接接続をする場合の接続方法
• FX3GシーケンサとGT21モデルタッチパネル「GT2104-PMBD」を1対1で直接接続をする場合の接続方法

について解説してみたいと思います。

違いは、タッチパネル「GT2104-PMBD」はEthernet接続に対応している点です。
「GT2104-PMBDS」はEthernet接続に対応できません。

「GT2104-PMBD」にも、一応RS-422用の通信ポートが用意されておりますので、RS422を使用してFX3Gと通信接続を行います。

FX3GとGT2104-PMBDSの直接接続

「GT2104-PMBDS」側のRS-422の物理的なインターフェースは、「9ピンコネクタ端子台」となっています。

フェニックスコンタクト製のパネル貫通型ソケット 「MC 1,5/ 9-G-3,5 BK 」が使用されているようでした。

より線だけを端子台に直接配線できるようですが、念のため絶縁スリーブ付のフェルール端子を使用したほうが良いと思われます。ただし裸棒端子を使用してしまうと、隣接する線同士がショートする恐れがありますので、避けましょう。

通信ケーブル

GOT2000シリーズ接続マニュアル(三菱電機機器接続編) GT Works3 Version1対応  を参照し、通信ケーブルを選定します。

「FX3G」と「GT2104-PMBDS」の組み合わせで直結接続する場合は以下のケーブルを使用すればよいことがわかりました。

GT10-C100R4-8P(ケーブル長10m)

ダイヤトレンド製の直結ケーブルも存在します。
三菱電機製と比較するとケーブル色が異なることがわかります。

D4RBM30

接続図

簡単に接続図を作成すると、以下のようになります。

FX3GとGT2104-PMBDの直接接続

続いて、FX3GシーケンサとGT21モデルタッチパネル「GT2104-PMBD」を1対1で直接接続する場合を考えます。先ほどの例との違いは、タッチパネル「GT2104-PMBD」はEthernet接続に対応している点です。

Ethernet接続せずに、RS422を使用した直接接続で接続する方法について解説します。

「GT2104-PMBD」側のRS-422通信の物理的なインターフェースは、「5ピンコネクタ端子台」となっています。

「GT2104-PMBDS」は9ピンコネクタ端子に対し、「GT2104-PMBD」は５ピンコネクタ端子となっております。

通信ケーブル

GOT2000シリーズ接続マニュアル(三菱電機機器接続編) GT Works3 Version1対応  を参照し、通信ケーブルを選定します。

「FX3G」と「GT2104-PMBD」の組み合わせでは、以下のケーブルを使用します。

GT21-C100R4-8P5

FXCPU⇔GOT接続用 FXCPU通信機能拡張ボード⇔GOT接続用

こちらも同様にダイヤトレンドからも同様な仕様のケーブルを購入することも可能となっております。

D4RB5M30

三菱表示器 GOT⇔三菱CPU直結・計算機リンク接続ケーブル

こちらも配線図に従って、バラ線を端子台に接続します。

おわりに

• PLC-GOT間を1対1接続する方法の一つに、直接接続という接続方法についてまとめてみました。
• FXCPU基本ユニットには、あらかじめRS-422通信ポート(ミニDIN8P)が用意されています。これを利用し、GOTとの直接接続することが可能です。