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PLCハード設計

【MELSEC-F】S/S端子の使用方法【シンクとソース】

三菱電機製FX3シリーズシーケンサではたいていの基本ユニットの入力部(入力信号Xアドレス)は、コモン切り替え可能になっています。これをソース・シンク入力共用タイプと呼びます。
三菱MELSEC iQ-RやKEYENCE KVシリーズの入力ユニットもソース・シンク入力共用タイプとなっています。

FX3シリーズの場合、ソース・シンクの切り替えのために「S/S端子」を使用する機種があります。

今回は、三菱電機製MELSEC-FシリーズシーケンサのS/S端子とソースシンクについて解説してみたいと思います。

S/S端子の仕様についてはユーザーズマニュアルのハードウェア編に詳細が記載されておりますので、ぜひマニュアルから確認を行っていただくのが良いと思います。

マニュアルは以下のサイトから入手可能です。

注意

三菱電機製FX3シリーズシーケンサにて全シリーズコモン切り替え可能ではありません。コネクタ接続タイプの一部の機種では、シンク入力のみとなっています。

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ソース・シンク入力切替

FX3シリーズの場合、基本ユニットの電源端子の近くに用意されている

S/S端子」へ

プラス側を配線接続すれば、プラスコモンのシンク入力モードとなり、NPNセンサに対応。

マイナス側を配線接続すれば、マイナスコモンのソース入力モードとなり、PNPセンサに対応します。

三菱 FX3UのS/S端子

このS/S端子とは、コモン端子のようなものです。
ただし、すべてのFX3シリーズにこの「S/S端子」が用意されているわけではありませんし、シリーズによって若干使用方法が異なります。非常にややこしい仕様になっています。

例えば、FX3GCやFX3UCのようなコネクタタイプ接続タイプではソース・シンクモードの切り替えに「COM端子」を使用します。(S/S端子が用意されていません。)

FX3GやFX3Uのようなネジ端子接続タイプには「S/S端子」が用意されていますが、AC電源仕様とDC電源仕様品で「S/S端子」の使用方法が若干異なります。

まずFXシリーズのラインナップを把握しておくとよいでしょう。

以下の記事でMELSEC-Fシリーズの仕様の違いをまとめています。参考にしてみてください。

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AC電源タイプFXシーケンサのS/S端子とソース・シンク

FX3GのAC電源仕様を例に説明を行います。

AC電源タイプにはサービス電源(内部電源)が用意されています。「24V」と「0V」間です。

内部電源を使用して配線する方法が最もお手軽な方法だと思います。

配線方法については、ユーザーズマニュアルのハードウェア編の中の「シンク/ソース入力とは(DC24V入力タイプ)」という章にて、「ソース入力」と「シンク入力」の回路の違いについての記述があります。

引用:FX3Gシリーズ マイクロシーケンサ ハードウェア編ユーザマニュアル「10.1.1 シンク・ソース入力とは」より

上記のような配線図は、ハードウェアマニュアルに複数回登場します。いずれもAC電源タイプを「シンク入力」として使用する場合、内部電源の「24V」を「S/S端子」に配線接続しています。(AC電源仕様時に、外部電源を「S/S端子」に接続するような配線例はありませんでした。)

シンク入力

シンク入力配線→「S/S端子」に、内部電源のプラス側「24V」を接続します。

その特徴は以下の通りです。

  • 主に国内向け設備にて多く採用されている配線方法です。
  • シンクロジックで動作するNPNオープンコレクタトランジスタ出力センサー用の入力信号配線です。
  • 直流電流の流れる方向は、入力端子(X)→センサー接点部の方向です。
  • 入力端子側が電流を吐き出し、センサー側が電流を吸い込んでいます。
  • 入力側はソース動作、センサー側がシンク動作しています。
  • 入力ユニット側の内部はプラスコモンとなっています。
  • 信号出力を行うセンサー側を基準に、「シンクロジック」と呼ばれます。

FX側のマニュアル中には上記のようにシンク入力「-コモン」とありますが、これはMELSEC-Qシリーズのプラスコモンタイプ入力ユニット(QX40等)に相当する配線方法となっております。

なお、このような配線方法を入力ユニット側がソース動作(入力側から電流が流れだす動作)していることからソース入力と呼ぶことがあるそうです。


三菱電機製と真逆の呼び方です。

例えば富士電機製プログラマブルコントローラ の「MICREXSXシリーズSPH」などでは、上記のような配線方法(三菱シンク入力)をソース入力と定義しています。

富士電機製のSPHシリーズPLCのハードウェアマニュアルから抜粋

ソース・シンク・プラスコモン・マイナスコモンといった言葉に惑わされず、直流電流の流れる方向を意識して回路を把握する必要があります。

ソース入力

ソース入力配線→「S/S端子」に、内部電源のマイナス側「0V」を接続します。

その特徴は以下の通りです。

  • 主に欧州向け設備にて多く採用されている配線方法です。
  • ソースロジックで動作するPNPオープンコレクタトランジスタ出力センサー用の入力信号配線です。
  • 直流電流の流れる方向は、センサー接点部→入力端子(X)の方向です。
  • 入力端子側が電流を吸い込み、センサー側が電流を吐き出しています。
  • 入力側はシンク動作、センサー側がソース動作しています。
  • 入力ユニット側の内部はマイナスコモンとなっています。
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DC電源タイプFXシーケンサのS/S端子とソース・シンク

DC電源タイプには、内部電源がありません。このため、「S/S端子」には、DC24Vの外部電源(スイッチングレギュレータ・パワーサプライ)から接続します。

シンク入力

シンク入力配線の場合以下のように、S/S端子に外部電源の「+24V」(プラス側)を接続します。

引用:FX3Gシリーズ マイクロシーケンサ ハードウェア編ユーザマニュアル「10.2.5 外部配線例(シンク入力)[DC電源タイプ]」より

ソース入力

ソース入力配線の場合以下のように、S/S端子に外部電源の「0V」(マイナス側)を接続します。

引用:FX3Gシリーズ マイクロシーケンサ ハードウェア編ユーザマニュアル「10.2.5 外部配線例(ソース入力)[DC電源タイプ]」より

参考