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PLC

【三菱MELSEC】FAトランスペアレント機能

トランスペアレント機能について説明してみたいと思います。

FAトランスペアレント(transparent )機能とは、三菱電機製シーケンサとGOT表示器を組み合わせて使用する際に、GOTを経由してノートPCとシーケンサ間を通信させる機能です。トランスペアレント機能を使用することで、GOT経由でシーケンサーとの読み書きやモニタ、RUN中書き込みが可能になります。

GOT表示器の操作をしながら、シーケンサのラダー回路をモニタし、デバッグするときなどに便利な機能です。

表示器は機械正面などに取りけられるため非常にアクセスしやすいです。一方で、PLC(シーケンサ)は設備背面の制御盤内に取り付けられることが多く、簡単にアクセスしにくい場合があります。このような場合にも、トランスペアレント機能を知っていれば、楽にシーケンサ側データへアクセスできるようになります。

知っておいて損はない機能だと思います。

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FAトランスペアレント機能

FAトランスペアレント機能についての詳細は、GOT2000接続マニュアル(三菱電機機器接続編)「第22章FAトランスペアレント機能」に記載があります。マニュアルは以下のサイトにてダウンロードすることができます。是非チェックしておきましょう。

FAトランスペアレント機能を使用した通信を実行中は,GT Designer3からGOTとの通信(プロジェクトデータのダウンロードなど)を行うことができません。

FAトランスペアレント機能を使用するために、必要な設定について説明します。

FAトランスペアレント機能の設定

トランスペアレント機能を使用して、GOT経由でQCPUシーケンサとPCを通信させる手順を説明してみたいと思います。

GOT側の設定は特に変更する必要はありません。

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三菱GOT2000のFAトランスペアレント機能を使用し、GOT経由でシーケンサとパソコンを通信する際に、mini-USBTYPE-Bケーブルを使用する。
FAトランスペアレント機能

①Mini-USB type-B⇔USBケーブルをPC-GOT間に接続する。

GOT側のUSBインタフェースにMini-USB type-Bを差し込みましょう。

Mini-USB typeBケーブルは市販されているケーブルでも特に問題なく使用することができます。

例えば、サンワサプライ製品のケーブルであれば、以下のケーブル使用することができると思います。

②シーケンサ開発ソフト側の設定

GX Works2,3やGX developerなどの開発ソフトを起動します。

接続対象のシーケンサに合った開発ソフトを使用してください。

ここでは、GX Works2を例に説明します。

ナビゲーションウインドウ下部の接続先から「Connection1」を選択し、接続先設定を行います。

三菱FA GX works

この際、シーケンサ側のI/FをGOTに設定ダブルクリックをすると、以下のダイアログウィンドウが表示されます。

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3つあるトランスペアレント機能からGOTとCPU間の接続形態に合ったものを選択する必要があります。

Ethernetトランスペアレント

QQ03UDECPUやQ03UDVCPUのように、Ethernetを内蔵しているシーケンサは、GOTとEthernet接続されている場合が多いかと思います。

形名には、Ethernet内蔵形CPUを選択します。

IPアドレスには、CPU(シーケンサ)側のIPアドレスを設定します。

192.168.3.39はEthernet内蔵タイプのQCPUのデフォルトIPアドレスです。

直結トランスペアレント

直結タイプとはCPU直接接続のことです。

CPU直接接続とはシーケンサ本体のRS232Cインターフェースを使用してGOTと通信する場合の接続形態のことです。GOT側がRS232C接続に対応していれば、オプションユニットも不要です。Ethernet内蔵タイプ以前QシリーズなどではGOTとシーケンサを直結接続してる事が多い気がします。

なお、Ethernet内蔵タイプ以前QシリーズのQCPU本体インターフェースについては、以下の記事が参考になるかと思います。以下の記事では、QCPUの

Qシリーズ以外でも、FXCPUも直結接続により、GOTとシーケンサを接続させることはできます。

直結バス接続時にトランスペアレント機能を使用する場合は、IPアドレスなどの設定は不要です。

バス接続トランスペアレント

GOTと表示器がバス接続されている場合も、FAトランスペアレント機能を使用することができます。

バス接続とはMELSEC-Qシリーズのベースユニットにある増設コネクタを使用してGOTに接続する方法です。GOT を「入出力占有点数 16 点のインテリジェント機能ユニット」としてCPU ユニットに接続せています。

バス接続により、シーケンサ-GOT間を接続している設備を見たことがありません。バス接続をするためには、GOT側にもオプション部品が必要になるからでしょうか?なお、FXCPUやLCPUにはベースユニットがあませんので、バス接続はできません。

バス接続時にトランスペアレント機能を使用する場合は、IPアドレスなどの設定は不要です。

トランスペアレント

トランスペアレント(transparent)とは”透過的”という意味の英単語です。

まとめ

FAトランスペアレント機能について説明してみました。

FAトランスペアレント機能を使用中は、GX Works2からシーケンサデータを読み書きすることはできますが、同時にGT DesignerからGOTのデータを読み書きすることができません。

この場合、先にGOTのデータを抜きとった後に、GT Designerを終了させ、GX Works2を起動してFAトランスペアレント機能を使用して、シーケンサデータを抜き取るとよいと思います。

参考URL